100年前の災害から今を問い直す ― 1年生歴史総合『関東大震災』研究授業
2025年10月23日 17時05分 10月23日(木)、1年4組において、地歴公民科の渡部友暁教諭による歴史総合の研究授業が行われました。テーマは「関東大震災」です。1923年に発生した未曾有の巨大災害を、単なる自然現象として捉えるのではなく、都市構造、情報の伝達、社会不安、差別、国家の対応といった視点から「なぜ、被害はここまで拡大したのか」を構造的に読み解く学習が展開されました。
授業では、当時の映像資料や新聞記事をもとに、木造家屋が密集した都市構造や強風が火災の拡大を招いた事実、不安と混乱の中で根拠のないデマが急速に広がった情報環境の脆弱性、さらには社会に根づいていた差別意識が外国人への暴力へとつながっていった歴史的背景などについて、生徒たちが主体的に分析を進めていきました。
さらに、「もし現代の私たちが同じ状況に置かれたら?」という問いを通して、災害・情報・差別といった課題が100年前と現在とを結びつける普遍的なテーマであることに気づき、過去を“暗記する歴史”ではなく、“未来を切り拓くための歴史”として捉え直す力を養う学びとなりました。歴史総合がめざす「構造的に問いを立て、現代と結びつける学び」が力強く体現された授業であり、参観した教員にとっても、問いの立て方や学習デザインを再考する大変有意義な機会となりました。